シンギュラリティ研究所
連続トークイベント

2019年11月16日(土)より開催中の『来るべき世界:科学技術、AIと人間性 The Shape of Things to Come: Technology, AI and the Human』と並行して、最先端社会をめぐる問題点を精査しその解決にむけて探求するシンギュラリティ研究所の研究員とゲストによるトークイベントを青山学院大学 青山キャンパスにて連続開催いたしました。

【開催報告】連続トークイベントを終えて

青山学院大学シンギュラリティ研究所は,2018年4月に設置された研究組織であり,その研究成果を内外に公開するため,このたび連続トークイベントを実施した。

シンギュラリティ研究所は,その名前から奇異に感じ,中身を吟味せず抵抗感を抱く人も少なくない。しかし本研究所は,人類の頭脳を圧倒するシンギュラリティ(技術的特異点)が必ず来ることを信奉しているわけではなく,シンギュラリティという考え方がいかにして生じるのかも含めて研究している。高度化するテクノロジーと人間性,社会,文化との緊張関係をきちんと取り上げて研究することが主目的である。

今回の連続トークイベントは,1ヶ月間に9件のイベントを実施するかたちで行った。AI等の最先端技術と人間性,倫理,創造性,社会教育とのありかたを鋭く問うた。多数のゲストを招き,討論を行った。ブロックプログラミングを使い,画像認識の機械学習を体験する講座も設けた。AIを使いながら世界中の人々が地図を作っている試みも具体的に説明した。学生企画では,自主ゼミの学生がライトニング・トークを7件実施し,学生自身がゲスト講師を呼んでみずからも登壇しディスカッションを行っている。私の登壇した回は3回あり,127名,144名,160名と申込者数が次第に増え,回を重ねるごとに人々の関心が高まっていくことを感じた。

これからの未来を考えるにあたっては,「グローバリゼーション」「地球環境」「人口」などと同じく,「技術」的要素を見過ごすわけにはいかない。なかでもAI等のコンピュータ技術の発展はすさまじい。いまある技術にすぐさま別の技術が加わり連鎖している。その技術が引き起こす問題も技術的に解決することが図られているが,それだけではやはり足りない。人文科学・社会科学の知も鍛え上げ,先端技術社会への方向性を一緒に考えていかなければならない。

このたびの連続トークイベントは学外者の参加が比較的多く,大学の知的成果をうまく社会へ還元することができた。

今回のイベントの実施にあたって協力していただいた方々に厚く御礼申し上げる。

運営者を代表して
シンギュラリティ研究所副所長 河島茂生

概要

日時・場所 トークテーマ 登壇者
11月22日(金)
18:30~20:00
14号館(総合研究所ビル)12階大会議室  満員御礼
AI時代の「自律性」
[社会情報学会の定例研究会(理論部門)との共催]

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谷口忠大(立命館大学教授)
ドミニク・チェン(早稲田大学准教授)
河島茂生(シンギュラリティ研究所副所長/青山学院女子短期大学現代教養学科准教授)
11月29日(金)
18:30~20:00
17号館17308教室  満員御礼
EUのAI倫理方針

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LENZ,Karl F.(シンギュラリティ研究所研究員/青山学院大学法務研究科教授)
11月30日(土)
11:00~12:30
女子短期大学マルチメディアⅠ教室  満員御礼
実践 機械学習 × ブロックプログラミング

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吉田葵(シンギュラリティ研究所研究員/青山学院大学社会情報学部助教)
11月30日(土)
15:05〜16:35
17号館17311教室  満員御礼
AI × クリエイティビティ

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久保田裕(コンピュータソフトウェア著作権協会専務理事・事務局長)
長尾玲子(日本文藝家協会)
河島茂生(シンギュラリティ研究所副所長/青山学院女子短期大学現代教養学科准教授)
12月6日(金)
18:30~20:00
17号館17308教室  満員御礼
AIと地図 〜なぜGoogleマップのナビゲーションは不完全なのか〜

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古橋大地(シンギュラリティ研究所研究員/青山学院大学地球社会共生学部教授)
12月7日(土)
13:20〜17:00
17号館17310教室  満員御礼
学生企画: 最先端を駆け抜けろ!
招待企業:資生堂ほか
※ライトニングトークあり

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ゲスト講師
久野慶一郎様(資生堂ジャパン株式会社次世代事業開発部デジタルフューチャーグループアシスタントブランドマネージャー)

丸山俊一様(NHKエンタープライズ番組開発エグゼクティブ・プロデューサー)
12月13日(金)
18:30~20:00
17号館本多記念国際会議場  満員御礼
AI倫理

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西垣通(東京大学名誉教授)
河島茂生(シンギュラリティ研究所副所長/青山学院女子短期大学現代教養学科准教授)
12月14日(土)
13:20~14:50
17号館17511教室  満員御礼
「知の壁」 ロボットと若者の未来を語る会

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青木俊介(ユカイ工学(株)代表取締役)
三宅 陽一郎(スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー)
齋藤由多加(シンギュラリティ研究所客員研究員/人工知能クリエーター)
12月14日(土)
15:05~16:35
17号館17511教室  満員御礼
近未来の図書館と新しい学びに向けて

▶詳細はこちら
柴草武臣(富士通株式会社文教ビジネス推進統括部 ビジネス企画部部長)
鈴木祐介(株式会社富士通マーケティング公共金融 営業本部公共ビジネス推進部)
野末俊比古(シンギュラリティ研究所共同所長/青山学院大学教育人間科学部教授・図書館長)

各トークイベント詳細

AI時代の「自律性」

「自律性」という言葉は人間の尊厳を支える意味でも使われますし、AIやロボットの特徴としても使われます。『AI時代の「自律性」』(勁草書房、近刊)をもとに、自律性を通して未来を考えます。

開催の様子

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EUのAI倫理方針

2019年4月8日にEUで設置された専門委員会から「AIの倫理方針」が発表されました。その方針の内容を紹介して、特異点との観点から分析します。2019年10月発表原稿「特異点とEUのAI倫理方針」参照。

開催の様子

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実践 機械学習 × ブロックプログラミング

AI時代には、プログラミングが必須のスキルとなります。実際に手を動かして、ブロックプログラミング環境Scratchで、機械学習を体験してみましょう。まだプログラミングに触れたことのない方のご参加を お待ちしております。

開催の様子

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AI × クリエイティビティ

AIと創作の関係は未来を左右します。そもそも情報とは、あるいは創作とは何でしょうか? 創作物を使うルールはいかにあるべきでしょうか? 参考: 『AI × クリエイティビティ』(高陵社書店,近刊)

開催の様子

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AIと地図 〜なぜGoogleマップのナビゲーションは不完全なのか〜

人工衛星やドローンが空を飛び交い、ほぼリアルタイムに地上の様子が見えるようになってきたこの時代に、我々はコンピュータが自動作成する次世代の地図とどう付き合っていけばよいのか、その裏側の世界をシェアします。

開催の様子

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学生企画: 最先端を駆け抜けろ!

学生たちは、彼ら/彼女らの目線で未来を見つめています。企業の方を招いてAIサービスの戦略を聞いたり、学生たちが日頃考えていることを発表します。未来に活躍する学生たちの声を聞きにきてください。

  • 13時20分~14時20分 学生7名によるライトニング・トーク
  • 14時20分~15時15分 IoTを使った肌マネジメントビジネス(ゲスト講師: 久野慶一郎様(資生堂ジャパン株式会社次世代事業開発部デジタルフューチャーグループアシスタントブランドマネージャー))
  • (休憩15分)
  • 15時30分~16時30分 「AIが欲望する時」(ゲスト講師: 丸山俊一様(NHKエンタープライズ番組開発エグゼクティブ・プロデューサー))
開催の様子

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AI倫理

AIが大きな社会的影響を及ぼしはじめています。私たちは,そうした社会のなかでの倫理をいかに考えていけばよいのでしょう。『AI倫理』(中公新書ラクレ、2019)をもとに語り合います。

開催の様子

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「知の壁」 ロボットと若者の未来を語る会

産学共同プロジェクトであるアースブックプロジェクトは、地球儀型のデジタルインターフェースを用いた次世代図書館の蔵書検索システムのプロトタイプを開発中です。開発の模様について、最先端のAIの話を交えながら報告します。

開催の様子

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近未来の図書館と新しい学びに向けて~”AI時代”に何をすべきか、何ができるのか~

“アクティブラーニング”に象徴されるように学びが変わろうとしています。どのように変わってくのか、学びを支える図書館には何ができるのか。皆さんと一緒に考えていきます。

「大学における事務・図書館システムの連携の必要性」

柴草武臣(富士通株式会社文教ビジネス推進統括部 ビジネス企画部部長)

「図書館におけるAI活用への期待と現状」

鈴木祐介(株式会社富士通マーケティング公共金融 営業本部公共ビジネス推進部)

「学び(合い)の場としての図書館と“AI時代”における可能性─「近未来の図書館と新しい学び」研究プロジェクトの取り組み─」

野末俊比古(青山学院大学シンギュラリティ研究所 共同所長・図書館長・教育人間科学部教授)

開催の様子

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助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京